■障害や病気を抱えている方へ
本学園には、障がいや病気を抱えた生徒も多数在籍しています。「LD(学習障害)」「ADHD(注意欠陥多動性障害)」「ASD(自閉症スペクトラム)」などの発達障害や、「統合失調症」「鬱」「てんかん」「喘息」などの病気、また発達障がいに起因する二次障がいにより不登校や精神疾患を患っている生徒など、その症状は多岐にわたります。そうした生徒たちも、他の障がいや病気を持たない生徒と共に、元気に生活しています。障がいや病気を持つ生徒は、他の生徒と触れ合うことでさまざまなことを吸収し、成長します。また、健常の生徒たちも、さまざまな生徒と接することで、人をいたわる心や助け合いの精神を学ぶことができます。まさにこうした環境こそが「共育」であると考えています。
こうした生徒の皆さんを指導するにあたり、本学園の教職員は通常の高等学校教諭免許状のみならず、さまざまな障がいや心理に関する専門的な資格を保有しています。
〔本学園教職員の所持資格(各教科の教職免許状を除く)〕
○主として教育分野に関するもの
・特別支援学校教諭 ・特別支援教育士 ・自閉症スペクトラム支援士 ・障害者スポーツ指導員
○主として心理分野に関するもの
・臨床発達心理士 ・スクールカウンセリング協議会認定ガイダンスカウンセラー
・日本カウンセリング学会認定カウンセラー ・全日本カウンセリング協議会認定カウンセラー
・日本教育カウンセラー協会認定教育カウンセラー ・日本健康心理士学会認定健康心理士
○その他(医療・福祉・労働・防災安全などに関するもの)
・養護教諭 ・看護師 ・社会福祉士 ・キャリアコンサルタント ・防災士
また、学習面や生活面に関しても、それぞれの認知特性に合わせて、さまざまな工夫をしています。教室での授業では、学びのユニバーサルデザイン(UDL:Universal Design for Learning)の考え方を取り入れ、一人ひとりの特性に合わせたさまざまな代替手段を用意しています。例えば、プリントやテストも全員が同じものではなく、その生徒にとって見やすいプリント、解答しやすいテストなどのように個人個人にあわせた配慮をしています。普段の生活や学校行事などでも、戸惑ったり、不安になったりすることが出来る限り少なくなるように、環境面でのユニバーサルデザイン化も進めています。さらに、個人の特性に合わせた以下のようなプログラムも用意しています。
・ソーシャルスキルトレーニング(Social Skills Training:SST)
・認知機能強化トレーニング(Neuro-Cognitive Enhancement Training)
・ワーキングメモリートレーニング(Working Memory Training)
・ビジョントレーニング(Vision Training)
卒業後の進路については、大学や専門学校への進学する生徒、職業訓練・自立訓練・就労移行支援などの施設へ進む生徒、就職する生徒など、多岐に渡っています。障害者雇用枠を利用した就職を考えている生徒については、在学中に「就労訓練(Employment Training)」を受けることも可能です。
本学園の運営母体である「一般財団法人 共生教育財団」が運営している自立訓練(生活訓練)施設である「S-STEP板橋」に進む卒業生には、本学園在学中から一貫した指導により、自立した生活が営めるように、就労定着まで支援していきます。
もちろん、本学園は通常の高校教育を行う機関ですので、どんな生徒でもお受け入れするというわけにはまいりません。原則として、知的障がい(境界域を除く)がなく、コミュニケーションが取れて、授業や集団行動の場において他の生徒に多大な迷惑を及ぼさないことが、お受け入れの前提となります。本学園でも、障がいについての検査(WISCやK-ABC)の実施が可能ですので一度ご相談いただければと思います。